真空管式カー
オーディオ計画 第4号 その1 プリアンプ編 (2013.9.24) 注意:以下掲載してあるものは、マイクロフォニックノイズが大きく、使用を断念したものです。現在別の真空管を使用する回路を検討中です。 (2014.2.2) 低音をもう少し出したいと思う カーオーディオ第3号を完成させたばかりだったのですが、カーオーディオに合わせて取り替えた車載用スピーカー(ダイヤトーン G20)で聴いているうちに欲が出てきて、もう少し低音が出せないかと思うようになりました。トーンコントロール回路は、いままで製作したことがなかったのですが、チャレ ンジしてみようと思いました。 構成をどうするか 3DINサイズのコンソールの中に電源部を除くアンプを入れ込むという方針は第3号と同様ですが、第4号では パワーアンプ部とプリアンプ部を別のシャーシに組むことにしました。電源は、第3号と同様に絶縁型のDC-ACインバータの出力を倍電圧整流 してB電源を得る方式とします。この場合、B電圧は約260Vになると見込まれます。パワーアンプ部は6EM7を使用した2段構成のプッシュ プル回路で計画しました。この構成では、パワーアンプ部のゲインがあまり取れません。負帰還をある程度かけると、2倍程度がやっとではないか と思われます。4Ω負荷のスピーカを鳴らす車載用アンプでiPodを使用する場合、余裕を見て20倍程度のゲインがあると使用しやすいと思っ ておりますので、iPodの出力をプリアンプ部で10倍程度増幅できる必要があります。まずは、プリアンプから製作することにしました。 プリアンプ部の回路 プリアンプの回路構成は、6DJ8を使用します。毎度参考にさせていただいているぺるけさんのウェブサイトに掲載されていた、CR型のトー ンコントロール回路を参考に、バスブースト回路のみ取り入れました。低音を減らしたり、高音を増減させる必要性は感じたことがありませんの で、必要最小限の構成とします。ボリウムはしばしば接触不良となりノイズを出す恐れがあり、また接触不良の恐れの少ないボリウムは高価になり ますので、バスブースト回路はボリウムを使用せず、2回路5接点のロータリースイッチで構成しました。 プリアンプ部回路図はこちら この回路構成では、2段目のカソードにバイパスコンデンサが入っていません。このため、出力インピーダンスが 高くなりプリアンプの出力段には適さないと考えられます。しかしながら、2段目のパスコンをつけた場合に初段のNFを増加させて同じゲインと してTINAを用いたシミュレーション結果を比較してみて、バイパスコンデンサをなくした方が歪率が少ないことから、低歪率を優先して採用し ました。出力に150pFのコンデンサと47kΩの抵抗をつけてシミュレーションしてみたところ、100kHzで-3.7dBの低下となる見 込みです。より良い高域特性を追求するのであれば本回路にカソードフォロワ出力を追加するのがよいのでしょうが、スペースの関係で採用しませ んでした。今回はすぐ下にパワーアンプを置くことを想定しているため、出力に接続されるシールド線の長さを最小限にすることができるため、割 り切ってこの回路としています。また、低域をブーストした場合に、20Hz以下の信号があまりに大きくなるという弊害をなくすために、出力段 プレートにつく出力コンデンサの容量をやや低めの0.1μFとしてあります。(パワーアンプ部初段グリッド抵抗を47kΩと想定) TINAを用いたシミュレーションの結果 シャーシの製作 シャーシの製作は夏休みの期間になりました。時間は取れるのですが、あまりの暑さに作業がはかどりませんでし た。真空管の配置は、正面に真空管を見せたかったのですが、ツマミが多くなることから断念し、通気口を前後のパネルとシャーシ下部にとる構成 としました。正面には、以前にも使用した黒のパンチングメタルを使用しました。車のインテリアとよく合います。 |
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シャーシ製作途中 材料のカットができた段階です。 夏休みはこの作業に費やされました。 |
配線しやすくするために、サイドパネルの 1枚は最後に取り付けます。正面パネルのすぐ後ろには、 バスブースト回路の基板がつけてあります。 |
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プリアンプ部完成・測定を行う シャーシが出来れば、配線は比較的簡単です。少々複雑なバススースト回路まわりは、穴あき基板にまとめ てフロントパネル背面に取り付けました。その他の部品は1チャンネルごとに16Pのラグ板に取り付けました。まだ、パワーアンプ部の製作にとりかかっていませんが、確認のためにプリアンプ部の特性を測定してみました。周波数 特性と1kHzでの出力対歪率特性を測定しました。出力に47kΩの抵抗を接続して測定してあります。 周波数特性は、期待した通りのバスブースト特性が得られていることが確認できました。プリアンプの出力に47kΩの抵抗をつけ、約 15cmのシールド線を電子電圧計に接続して測定したところ、高域の減衰は100kHzで-3.12dBとなりました。別途測定したとこ ろ、電子電圧計の入力容量は51pFと計算できました。入力容量が異なるので、パワーアンプに接続した場合はまだわかりません。一般的な プリアンプに比較して控えめな特性となっていますが、上述の通り、限られたスペースに組み込むための妥協の産物です。歪に関しては、 TINAによるシミュレーションよりも低歪になりました。PCによる測定では測定できる周波数帯が限られるためではないかと推察します。 追記:マイクロフォニックノイズに注意 (2014.1.28) パワーアンプに接続して試聴したところ、使用する真空管によってマイクロフォニックノイズが大きいもの がありました。ひどい場合には、ロータリースイッチを回すたびにスピーカからカンカンと音が聞こえました。手持ちの6DJ8及び互換球の うちでは、7308がいちばんマイクロフォニックノイズが少なく感じましたので、7308を使用しています。(6922と7308は 6DJ8の互換球でピン接続も同じです) やはりマイクロフォニックノイズが大きく使用を断念(2014.2.2) 車に載せてみたところ、車載用スピーカの能率がよいのか、マイクロフォニックノイズがさらに大きく感じられ、使用する球種を変更した方 がよいと思うようになりました。現在の6DJ8(7308)から、以前使用したことにある5670Wに変更してみようと思います。 その2 パワーアンプ編に続く その3 プリアンプ改造編へ |
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