ターンオーバー周波数切り替え型トーンコントロール付きプリアンプの製作(設計編) 

       2025.2.1

 ここ数年、自身の高音域の聴力低下を補う目的で、自作したプリアンプをトーンコントロール付きのものに置き換えています。今回は自宅のリビングにあ る 真空管式プリアンプを置き換えました。低音や高音の変化が始まるターンオーバー周波数をスイッチで変化させることができる回路を採用しました。

 リビングのTVボードの下に収めた状態。左は以前製作した6CW5シングルアンプ。テレビの音声をHi-Fiな音で聞きたいとき等に使用してます。レコードプレー ヤーを置くスペースがないので、フォノイコライザはつけていません。

回路形式と使用真空管

 2024年に製作した車 載用プリアンプの回路を基本に、室内での使用環境に合わせて回路を修正しました。今回使 用するパワーアンプは車載用のパワーアンプに比べてゲインが大きいので、プリアンプのゲインは車載用のプリアンプのゲイン(10倍)より少なくても大丈夫 です。真空管は6BQ7Aを使用しました。車載用プリアンプは電源の制約からB電圧が250Vでしたが、今回は300V程度のB電圧として設計しました。


真空管の動作点を決める

 6BQ7AのEp-Ip特性図から、想定する電源電圧とプレート抵抗をもとにしてロードラインを引き、動作点を決めました、電流を多くしたほうが gmが大きくとれますが、プレート抵抗の発熱が大きくなってしまいます。プレート抵抗には、33kΩ3W型を使用するため、発熱が3Wの1/4に収まるよ う、Ipを4.5mAに設定しました。CADソフト(JWCAD)を用いて、画像として張り付けたEp-Ip特性図から寸法を読み取る技を習得し、重宝し ました。グリッド電圧は-3Vです。読み取った寸法から電圧、電流を換算し、この動作点では以下の三定数となることがわかりました。

  μ=35  gm=4.3mS  rp=8.14kΩ 

初段のゲイン

 

 初段増幅回路にはP-G帰還をかけています。次段のトーンコントロールの操作によって負荷が変 動する様子 をシミュレーションで確認しました。負荷が一番重くなる場 合、一番軽くなる場合、等5通りの計算を行い、6倍から7倍程度のゲインが得られることを確認しました。下記に計算表を示します。初段のゲインは以下の式で求められます。 ただし、Y1=1/Z1 Y2=1/Z2 です。 式の説明はこち ら




二段目のオープンゲイン



 上の図は二段目の回路を簡略化したものです。この回路のオープンゲインも計算してみました。この場合もトーンコントロール回路の操作による負荷の変 動がありますが、20倍から24倍程度のオープン ゲインが確保できることをシ ミュレーションを利用して確認し てみました。


トーンコントロール回路

 トーンコントロール回路はBaxandall型としました。低音用、高音用にそれぞれコンデンサを一つ使用するタイプを採用し、この コンデンサをスイッチで切り替えることにより、ターン オーバー周波数を変化させました。トーンコントロール回路にはボリウムを用いず、11接点のロータリースイッチを用いています。理由は、1MΩ B型のセンタークリック付きボリウムが入手できなかったためです。

最終的な回路図は以下の通りです。

アンプ部  


電源部



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